《美空ひばり十八番の内「楽曲」》


美空ひばりは、1949年に松竹映画『踊る竜宮城』の主題歌である『河童ブギウギ』のレコーディングをしてから1988年に秋元康さんプロデュースの『美空ひばり/川の流れように~不死鳥パートⅡ』のレコーディングまでに約1500曲のレコーディングをした。驚くべきことは美空ひばりが亡くなってからもお蔵入りとなった音源が発表され続けていることである。そしてその数は未知数であるということである。他の歌手なら何日もかけてレコーディングするところを美空ひばりはほんのわずかな練習で誰の追随も許さない次元で歌えたのである。そしてスタジオでは同時録音でなおかつ一発で録音内容は完璧だったそうである。管理人は美空ひばりの歌にはテクニックを感じさせない上手さがあるように思う。テクニックだとかうまい下手とかいう次元ではないレベルのものである。特に晩年期の美空ひばりの歌唱は歌の説得力がかなりなもので、この時の美空ひばりはすでに歌の神様だったように思うのである。管理人は個人的に晩年期の美空ひばりの円熟した歌唱が好みであるが、少女時代の美空ひばりの歌唱力にも天才性を感じさせられざるを得ない。なぜなら当時は録音技術がまだあまり確立されておらず、歌のお手本がなかったにもかかわらず見事な歌唱力で10代の少女とは思えないものであった。つまり少女時代の時にすでに美空ひばりの歌は完成体だったのである。また美空ひばりの歌唱は、ことばへの身と心との添わせ方が別格であるように思う。例えば同じ「あい」でも「愛」、「哀」、「逢い」、「相」などを自由に色分けできたのである。そしてどのようなジャンルの曲でもオールラウンドに一流に歌えてすぐに自分の曲にしてしまうのである。シンガーソングライターの谷村新司さんが「美空ひばりというジャンルがある。」といっていたのは印象的である。どんなにつまらない曲でも美空ひばりが歌えば一流の曲に化けてしまうから不思議である。一流の美空ひばりシェフの手にかかれば食材は選ばないのである。

「美空ひばりレコーディング楽曲の一覧」では美空ひばりがレコーディングしたすべての楽曲をしらみつぶしに調べてすべてデータ化して掲載した。そしてその楽曲が最初に収録されたプラットホームやその他の情報なども記載している。特筆すべき点は、楽曲が収録されているプラットフォーム単位ではなく、楽曲自体を一つの単位として発売順に記載している事である。巷で見かける楽曲が収録されているプラットフォームを一つの単位としてそれをただ発売順に記載したようなディスコグラフィーとは一線を画した切り口となっている。要するに、楽曲とそれが収録されているプラットフォームを紐つけて一つの単位とする考え方からは脱却していただきたいのである。美空ひばりのレコーディングの業績が俯瞰できる内容となている。