《美空ひばり十八番の内「映画」》


美空ひばりは「歌謡界の女王」であると同時に、「銀幕の女王」でもあった。日本の映画は美空ひばりと共に育ってきたといっても過言ではない。ここに日本の映画の原点があるのである。美空ひばりの相手役をした俳優は大スターになるというジンクスを生み出したほである。美空ひばりの青春時代である1950年代から1960年代が日本の映画の隆盛期とかさなっていることは特筆に値するように思う。そしてこれは日本の芸能史にとってもものすごく幸運なことであった。美空ひばりは生涯にわたって松竹、東宝、大映、新東宝、新芸プロなどいろいろな映画に約170本も出演した。そして特筆すべき点は、美空ひばりが映画に出演すると、「美空ひばりのための映画」になる事である。また、美空ひばり映画の特徴としては、歌舞伎や浪曲などがベースとなって翻案された映画が多く、一人で複数役を演じたり、性別を行ったり来たりしたり、映画内で歌ったり踊ったり、劇中劇があったりなどとまるで娯楽の幕の内弁当のようである。「出演映画の一覧」では美空ひばりが出演した映画のデータをまとめた。美空ひばりの出演映画を俯瞰できる内容となっている。